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ボイきら時空。
ステフェスのイベントの合間の話。
如月斗真を黒く染め上げる逢坂と桜沢。

桜沢の事がよくわかっていないので、解像度が甘くて申し訳ないです。



ステージの練習の合間に休憩していた如月斗真に話しかける。
先輩は、別の男の練習を見ているから、しばらくこっちに来れない事も確認している。
今からする話は、とても先輩に聞かせられる内容じゃないからね。

「ねぇ、とうまセンパイ?ちょっと気づいたことがあるんで聞いてもらっていいですかぁ?」
「ん?あぁ、いいけど」
「よかったぁー!じゃ、ちょっと場所変えていいですか?」
一応、ほかの奴に聞かれてもよくないから、体育館の舞台袖に呼ぶ。
何も警戒しないでついてきてくれるのは助かるけど、なんとも思われていないのはイラっとする。
階段にあいつは座り、話を促す。
「僕、気づいちゃったんですよ。センパイって僕と同じだなって。センパイも巫斗先輩を独り占めして滅茶苦茶にしてやりたいって……思ってるんでしょ?」
「違……ッ!?」
如月斗真が酷く動揺する。
やっぱりそうだ。
「でも、奥結先輩達と話してる巫斗先輩を見てるセンパイ、そんな目をしてましたよ?僕も同じ目をした事があるからわかるんですよ。」
巫斗先輩は、いろんな男に好かれやすいから、よく話しかけられてる。
僕も先輩を独り占めしたい方だから、邪魔だなぁと思って嫌な顔をしてしまう。
このステフェスが始まって、運悪く如月斗真と同じステージに立つ事になり、最悪だと思ったけれど。
あいつの方が先輩に関わる男を睨みつけている。
それをなんでもないようなふりして先輩に隠しているのが、分かってしまった。
綺麗な振りをしているだけの男だと気づいてしまった。
本音を当てられたあいつは動揺したまま、否定の言葉を探している。
取り繕う時間なんて与えてやらない。
如月斗真に近づき、彼の真実を囁く。
「ああ、やっぱり。綺麗な振りして先輩に近づいてますけど、本当はすごく束縛したいって思ってるんでしょ?」
「自由にさせてあげたいとか言っておきながら、本当は逆のこと思ってる。とうまセンパイの方が、僕よりよっぽど狼ですよね。嘘吐きって意味も含まれるんですから。」
「とうまセンパイは、幼馴染だから自分も同じぐらい綺麗な振りして先輩に近づいてるんですよね。でも、本当は僕らより狼なんだと知ったら、巫斗先輩、幻滅しちゃうだろうなぁ。」
「そ、んなの……分かってる……!」
巫斗先輩の名前を出すと、更に表情を曇らせる。
青ざめていく如月斗真の表情は滑稽だ。
「それが嫌だから綺麗な振りをし続けてるんですよね。ずっと近くにいて鬱陶しいと思ってたんですけど、何もできないとわかったし、もう気にしなくていいんですねー」
途中、僕たちしかいないはずの空欄に足音が響く。
「やぁ、面白そうな話をしているね」
「あ、ひろむんセンパイだー!どうしてこんなところにいるんですかぁ?」
「逢坂……?」
もう一人の鬱陶しいやつの逢坂紘夢がやってきた。
こいつはステージの練習に関わっていないはずなのに、どうしてやってきたんだろう。
如月斗真も不思議そうな表情をしている。
気になるけど、ちょうどいい所にやってきた。
「たまたまだよ。それよりもさっきの話、僕も混ぜてくれないかな?」
「いいですよぉ。センパイは何を知ってるんですかぁ?気になっちゃうなー」
「僕が知っている事なんてそう多くないよ。」
逢坂が僕の反対側に立ち、僕と同じように如月斗真に囁く。
「まず、君がとても臆病なくせに独占欲が強いってことはよく知っているよ。霧島さんは心美しい聖女だから、君の正体が知れてしまうことがとても怖いのだろう?」
「ッ……!」
「今の君たちの関係は、長い時間積み重ねられた君の嘘によって出来上がっているものだ。彼女は純粋だから、同じように君も純粋であると信じている。本当はそんなことないのにね?」
逢坂紘夢の問いかけような言葉にも返すことが出来ず、如月斗真はただ目を伏せる。
あいつは追い詰められ始めている。
一番邪魔な男が堕ちようとしている様に思わず笑みがこぼれてしまう。
「僕にはわかるよ。君が彼女にとって良い人間であるように演じていることは。そして幼馴染という関係を利用していい立場でいようとし続けていることも。桜沢のいう狼というのは、確かに君にふさわしい言葉だよ。狼という言葉は、いい意味にも悪い意味にも使われるけど、君の場合は後者だね。嘘をついて近づき人を食らおうとする獣だ。」
「ふふ、本当は君のような人間は彼女の隣には相応しくないんだよ。美しい彼女を騙し続け、独占を望む君にはね」
「そうですよぉ。本当は先輩を一番滅茶苦茶にしてやりたいって思ってる癖に」
ふと顔を覗き込むと、如月斗真の目から光が消えているように見えた。
小さな声で違う、としきりに呟いている。
黒く、どす黒い感情に染まれ。
そうした時、人は暴走するか何も出来なくなるのだから。
どっちのあいつを見たって、巫斗先輩は失望するに決まっている。
友人よりも気楽で安心できるであろう関係をあいつから壊させる。
敵は一人消え、先輩は僕を見てくれるようになるだろう。

「あ、斗真、こんなところにいたんだね!」
人があまり来ないはずの舞台袖に巫斗先輩が現れる。
どうやら長く話過ぎてしまったようだ。
「先輩!?どうしたんですかぁ?」
「やぁ、偶然だね霧島さん」
スイッチを切り替え、巫斗先輩に近づく。
先輩も逢坂紘夢を見て、不思議そうに首をかしげる。
「あれ、逢坂くんはなんでいるのかな……?」
「君たちの様子が気になって、つい覗いたら桜沢達が休憩していたから、話に混ぜてもらっただけだよ」
「そっか。」
逢坂紘夢は、張り付いた笑顔で息をするように噓をつく。
まぁ僕も同じようなことするけど、人がやっているところを見ると気持ち悪い。
「えっとね、斗真に手伝ってほしい事があったんだけど……」
巫斗先輩が如月斗真を見つめる。
いつも先輩が頼るのは、如月斗真だ。
本当にムカつく。
けれど如月斗真は、彼女から目を伏せたまま立ち上がり、ふらふらと彼女の横を通り過ぎる。
「悪い……」
そしてそのまま体育館から出て行った。
あれは黒い感情に飲み込まれた。計画通り堕ちた。
僕も逢坂紘夢も口端が少し吊り上がる。
「斗真、どうしちゃったのかな……?」
「先輩、とうまセンパイなら一人で勝手になんとかすると思いますよぉ。それより何かお手伝いなら、僕がやります!」
「いや、桜沢だけじゃ心配だから、僕も手伝ってあげるよ」
「えー、ひろむんセンパイだって、本当は何か別の用事があったんじゃないですかぁ?」
如月斗真に目を向けさせないよう、僕が先輩の気を引く。
逢坂紘夢も邪魔してきたから、牽制する。
そもそも部外者なんだから、追い出すのは容易い。
「いや、ちょうど用は終わっていたところなんだ。ステージの準備は大変だろう?僕にも少し手伝わせてほしいな。」
「ありがとう、桜沢くん、逢坂くん。じゃあお願いなんだけど……」

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逢坂も桜沢も斗真が噓吐きで、男としての感情を押さえつけていることはわかる。
二人に見えないのは、純粋な聖女を作り出したのが、斗真だということ。
いい幼馴染で居続けたい斗真は、自分がほぼ無意識に隠している黒い感情を当てられて、噴出させられてどうしようもなくなって、彼女が見れなくなる。

私の中の如月斗真はその気になれば狂気に触れられるので、やべぇ奴だって認識。
彼女の為に誰かを傷つけることも最悪殺すことも厭わない。
そういう話も書きたい。
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